MRJ量産工場を撮影!「世界一流の組立工場に」

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MRJ最終組立工場の内部
 三菱重工業は10日、愛知県豊山町に建設してきた国産小型ジェット旅客機「MRJ」の最終組立工場を公開した。本格稼働は秋ごろを予定し、2021年以降をめどに月産10機ペースで製造する目標だ。同社は「世界一流の組立工場を目指す」(立岡寛之MRJ事業部工作部長)とし、新工場に航空機の生産技術を結集する構え。航空機産業全体にとっても、半世紀ぶりに旅客機を量産する象徴的な工場となりそうだ。

 新工場はこれまで試験機を製造してきた同社小牧南工場の隣接地に建てた。投資額は非公表だが約200億円とみられる。一部5階建てで延べ床面積は約4万4000平方メートル。フル稼働時は約600人の人員を計画する。

 最終組立工場は大きく「構造ライン」と「艤装(ぎそう)ライン」の二つに分かれる。まず胴体や主翼、脚部など別工場で製造した部材を構造ライン上で結合。次にU字型の艤装ラインで内装品や電線などを組み付ける流れだ。

 その後は塗装工場を経由し、一般道を挟んで隣接する愛知県営名古屋空港まで運んで飛行試験、納入となる。工場内では組み立て作業を一望できる通路を2階部分に設置し、一般見学も受け付ける。

 「我々は後発の航空機メーカーとして品質重視でいきたい」(立岡部長)。同社は試験機の製造を通じて得た知見を量産機づくりに注ぎ込む考えだ。例えば、部品の動線。大きな部品を除き、届いた部品をいったん最終組立工場の5階の倉庫に運び、各現場に必要な部品に小分けした上で1階の組み立てフロアに下ろす仕組みだ。

 組み立てラインがU字型なのも業界では珍しい。海外メーカーでは一直線上に航空機を並べて組み立てるが、狭いスペースを有効活用するためにU字型とした。艤装ラインは自動式の「ムービングライン」。1分間に1センチから数センチメートルと微妙に動くため、個々の作業時間を標準化できる。

 MRJの納入開始は18年半ばを予定する。しかし約95万点の膨大な部品からなるMRJを月10機まで量産することは一筋縄ではいかない。

 三菱重工は最終組立工場に加え、MRJの量産時には松阪工場(三重県松阪市)で尾翼、神戸造船所(神戸市兵庫区)で主翼部品、三菱重工航空エンジン(愛知県小牧市)でエンジンをつくる計画。世界中のメーカーからも部品を調達する。部品一つ欠けても生産は止まる。安定的な量産には、強固なサプライチェーン(部品供給網)の構築がカギを握りそうだ。
(文=杉本要)

日刊工業新聞2016年03月11日機械・航空機・ロボット面記事

COMMENT

まだ設備の入っていない量産工場は単なる体育館のような様相でしたので、今回の記事では写真に力を入れてみました。今後の稼働開始が非常に楽しみです。一般公開は有料にするか無料にするか検討中らしいです。が、日本で唯一の旅客機工場ですから、多少お金がかかっても見たい人はたくさんいるのではないでしょうか。

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