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自動車向けナット月2000万個、紀州ファスナーが20億円投資で完全自動生産工場

自動車向けナット月2000万個、紀州ファスナーが20億円投資で完全自動生産工場

和歌山工場では生産の自動化を進めている

紀州ファスナー(大阪府東大阪市、中江良一社長)は、同社の生産拠点である紀州ファスナー工業・和歌山工場(和歌山県御坊市)の敷地内に完全自動生産の自動車向けナットの工場を新設し、2026年に稼働する。25年7月までに新しい建屋を着工する予定。導入する試験ラインでのナットの生産能力は月間2000万個を見込む。投資額は約20億円。自動化で生産性を高めるとともに社員の仕事環境の整備を進める。

新工場の敷地面積は2万3000平方メートル。建屋を新設し、ナットの圧造機やネジ加工機、洗浄機などを導入する。工場の新設に伴い、装置などを管理する社員を地元から1、2人採用する予定。工場の自動化で現状比20%程度のナットの生産能力の向上を目指す。

紀州ファスナーは特殊ナット、自動車部品の製造・販売を手がけている。製造拠点となる和歌山工場は13年から御坊工業団地(同)で最初の工場が稼働し、その後従来の印南工場(和歌山県印南町)から設備を移設し新拠点として全面稼働している。

製造業全体で少子化と生産性向上が大きな課題となっていることを踏まえ、和歌山工場では自動化装置による省人化や効率化を進めてきた。その結果、20年前に比べ1人当たりの労働時間を2割程度減らすことに成功している。完全自動生産の新工場と省人化を進める現工場での取り組みを合わせ、生産性向上と職場環境の整備に向けた取り組みを加速させる。


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日刊工業新聞 2023年10月30日

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