総重量22トン級の廃棄物用脱着式大型トラック、新明和が投入
新明和工業は物流能力が不足する「2024年問題」対策として、廃棄物の収集・運搬車の能力と運転手の技能支援を拡大する。他社製比で積載量を最大300キログラム高め、運転席の映像で収集作業が容易にできる、総重量22トン級の脱着式大型トラック(写真)を発売した。年間販売計画は従来車種比16%増の350台。大型トラックの中でも人材確保が難しい廃棄物収集・運搬分野の社会課題解決を、技術革新による能力拡大や映像装備で支援する。
発売するのは廃棄物を収集するコンテナを脱着し傾けて排出する特装車。廃棄物や貨物を8―9トン運ぶ。トラックは安全性強化の規制から装備が増し、運べる廃棄物の量が減っている。そこでコンテナを動かすアームやフレームなど特装箇所にかかる負荷をコンピューターで解析。不要や過剰な箇所を洗い出し、従来車種と同じ強度と安全性を保ちながら簡素・軽量化した。他社製と比べ最大積載量を200キロ―300キログラム高めた。価格は非公表。
また、コンテナ脱着時などに、運転席からアームを操作してコンテナにフックをかける作業を運転席の画面で確認できる。オプション機能として、トラックを上から見下ろすように左右・後部を確認できる映像技術も搭載。大型トラックは車両が長く映像がひずみ、映像合成が難しいが、高解像や広角のカメラと設置箇所で可能とした。視認性が高まり、初心者でも作業が容易になる。廃棄物の収集・運搬車の運転手は収集の技能が必要で特に敬遠されやすい。
日刊工業新聞 2023年10月30日