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大田区・町工場の“フェス”拡大し開催

大田工業連合会青年部「THE PARTY」
大田区・町工場の“フェス”拡大し開催

昨年のTHE PARTY 2015.大演奏会で下町ボブスレーメンバーが活動を紹介

 町工場発、年に一度の町おこし―。大田工業連合会青年部(東京都大田区)は12日に大田区産業プラザ(PiO)で「THE PARTY」を開く。元は町工場の音楽バンドが演奏するイベントだったが、2015年は大田区と大田区産業振興協会が共催。今年は大田区商店街連合会と大田観光協会が初参加するなど年々規模が拡大している。

 「THE PARTY2016」で実行委員長を務めるのは、東蒲機器製作所の高橋俊樹社長。「今回はいろんな団体が参加している。昼のイベントも大きな見どころだ」と笑顔を見せる。

 産業プラザのエントランスでは、初参加の大田区商店街連合会が屋台を並べて食べ物を販売する。同じく初参加の大田観光協会は2階の「ビズビーチコワーキングスペース」で、おおたオープンファクトリーや多摩川スピードウェイなど「モノづくり観光事業」をパネル展示で紹介する。購入した食べ物を食べられるように座席も用意する。

 また区内町工場が中心となりソリを開発している「下町ボブスレーネットワークプロジェクト」も実機展示とグッズ販売、ミニライブを行う。同プロジェクトでソリの部品加工も手がける高橋社長だが「モノづくりだけじゃない大田区の魅力を見てもらいたい」と語る。

 このほか4階では日本工学院が工業系高校の吹奏楽部を招いて演奏会を行う。16時半からは例年通り1階の大展示ホールで音楽祭を行う。大田工業連合会青年部連絡協議会で委員長を務める松浦製作所の松浦貴之社長は「踊れる音楽を楽しんでほしい」と意気込む。

 長年、区内工業の観光資源化に取り組んできた大田観光協会の栗原洋三事務局長は「休日のイベントは仕事に支障なく『工業の街』をアピールできる貴重な機会だ」と話している。

 イベントは技術や街をアピールできる絶好の機会といえ、新たな観光資源となりそうだ。
(文=南東京・門脇花梨)
日刊工業新聞2016年3月10日 中小企業・地域経済2面
昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
大田区の「面白いことをやってみよう」という雰囲気が、音楽バンドが演奏するだけだった会を地域一丸となってここまで大きくしたのだと思います。

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