「破たん」劇的ビフォーアフター!JALは変わったか(2)公的支援の十字架背負う 

「スカイマークを支援する立場にない」一植木社長の本音

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JAL初のパイロット社長である植木氏は稲盛改革を継承する
 「スカイマークを支援する立場にない」。日本航空(JAL)社長の植木義晴は、経営破たんした国内航空3位のスカイマークへの支援の意思について問われ、こう答えた。公的支援で再生したJALは、出資などの新規投資を国土交通省から監視され、制限を受けている。スカイマークを巡る一連の騒動は、公的支援という“十字架”を背負ったJALの姿を浮き彫りにしている。

 JALは企業再生支援機構の支援の下、京セラ創業者の稲盛和夫を会長に招いて経営改革を断行し、上場廃止から約2年8カ月で再上場を果たした。その背景には、3年以内に支援を完了する企業再生支援機構の制度的枠組みの中で、会社更生法という「法的整理」に踏み切ったことがある。

 JALの経営危機は、政府主導で日本政策投資銀行などが1000億円の協調融資を実施した2009年に表面化。焼け石に水の融資で、再び資金難に陥ると、同年9月には当時の前原誠司国土交通相が私的諮問機関「JAL再生タスクフォース」を設置した。タスクフォースは私的整理による経営再建を前提に資産査定などを実施し、再建計画を策定。それをもとに主要金融機関に2500億円の追加的な金融支援を打診した。しかし、さらなる支援に金融機関は難色を示す。

 【風当たり強く】
 時を同じくして高額の退職者年金問題なども表面化し、JALへの風当たりは強くなる。企業再生支援機構の再生支援委員長だった弁護士の瀬戸英雄は、この時期のJALを外から眺め、「経年劣化した公共交通機関で、最終的に国が何とかしてくれると甘えている。労使対立に人事抗争と問題ばかりで、ダメ会社の典型だと思っていた」と話す。

 金融機関の協力が得られないことが決定的となり、JALの私的整理の道は絶たれた。出資機能のないタスクフォースは役割を終え、09年10月に公的支援が不可欠とする調査報告書を出して、解散。この直後、ほぼ同時期に設立された官民ファンドの企業再生支援機構に、政府がJAL再建を依頼し、瀬戸は期せずして当事者となる。
 (敬称略)

日刊工業新聞2015年03月05日 建設・エネルギー・生活面

COMMENT

高屋優理
編集局第二産業部
記者

「公的支援で再生した」がJALの枕詞のようになっています。公的支援と言うと、銀行などと同列にして、税金が投入されたかのように思いますが、JALの場合は決してそうではなく、再生のスキームは複雑です。とは言え、経営破たんし、国の力を借りて再生したことで、今も発着枠の配分など、さまざまな制約を受けています。

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