パナソニックHDが中国の不動産開発会社と連携する狙い
パナソニックホールディングス(HD)は中国の不動産開発会社の天泰集団と住環境向上に向けた戦略的連携協定を結んだ。天泰集団が開発する中国・青島市の不動産を対象に、パナソニックグループの住環境向上に寄与する住宅設備で付加価値を高めるシステムを検討していく。天泰集団の不動産開発のノウハウとパナソニックHDの家電・住宅関連の知見を生かし、革新的な生活モデルの構築を目指す。
天泰集団は30年近い不動産開発事業の実績を持ち、今回の提携対象となる地域は約10年開発してきた。住民による複数のコミュニティーが形成され、生活に必要な付帯施設も充実している。パナソニックHDは基盤の整った同地域に空調や全熱交換器、照明などの自社製品を供給していく構想。各製品の能力を発揮し、より快適な生活環境を実現できるとしている。
パナソニックHDは中国で高まる健康長寿需要に対応するため、生活の利便性を高める家電や住宅設備の展開に力を注いでおり、今回の連携で弾みをつける。空調機器では広州に中国国内向けの生産拠点を持ち、並行して製造してきた日本向けの高級・中級モデルの製造を23年度下期以降に日本へ回帰する予定で、その余力で中国国内向けの供給能力を強化する。
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日刊工業新聞 2023年10月18日