世界最大級の水素製造能力…三菱重工が実証施設「高砂水素パーク」稼働
三菱重工業は高砂製作所(兵庫県高砂市)で整備を進めてきた水素の実証施設「高砂水素パーク」を本格稼働させた。水素の製造から発電までの技術を一貫して検証できる施設で、水電解装置による水素の製造を始めた。今後は次世代水素製造技術の導入を順次拡充するとともに、ガスタービン実機での水素混焼・専焼を2024年までに検証する計画。脱炭素の手段の水素ガスタービンの早期商用化につなげる。
水素の製造・貯蔵・利用の機能別にエリアを分けた。このほど、製造エリアに毎時1100ノルマル立方メートルと世界最大級の水素製造能力のアルカリ水電解装置を設置し、稼働を始めた。同装置はノルウェーのハイドロジェンプロ製。
製造した水素は、貯蔵エリアに設置した総容量3万9000ノルマル立方メートルの設備に貯蔵し、利用エリアでガスタービンによる混焼・専焼を実証する。年内に出力45万キロワット級の大型製品で30%の混焼発電を検証する。24年には同4万キロワット級の中小型製品で専焼実証を計画する。 水素製造では、自社技術で開発を進める固体酸化物形電解セル(SOEC)による水電解装置などを検証・実証する。
日刊工業新聞 2023年09月26日