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国際線、最初の15年は赤字。「くじけずやってきた」(ANA社長)

定期便30周年、さらなる路線拡大に意欲
国際線、最初の15年は赤字。「くじけずやってきた」(ANA社長)

ANAの篠辺社長(左から3人目)

 全日本空輸(ANA)は3日、国際線定期便就航30周年の記念セレモニーを成田国際空港で開催した。セレモニーでは、社員がダンスパフォーマンスを披露するなど、30周年を祝った。篠辺修社長は「今後も国際線を成長の基軸に据えて、ネットワークを広げる」と述べ、さらなる路線拡大に意欲をみせた。

 ANAは1986年3月3日に成田―グアム線を就航し、国際線定期便に進出。同年に米国のロサンゼルスやワシントンに路線を広げ、現在、39都市、56路線を就航している。篠辺社長は「最初の15年は赤字だったが、国際線で成長できなければ、発展はないとくじけずやってきて、03年くらいに黒字化し、成長を実感できた」と30年を振り返った。

中期計画「営業利益2000億円、5年前倒し」


日刊工業新聞2016年2月1日


 ANAホールディングス(HD)は2020年度までの中期経営計画を策定し、営業利益2000億円、自己資本比率(ROE)10%の目標達成時期を5年前倒しする。これまでは、15年1月に策定した「長期戦略構想」で、25年度の達成を目標としていたが、国際線増便など事業の順調な拡大などを受け、前倒しを目指す。

 戦略の一つとして、欧エアバス380型機を3機正式発注し、19年春にもホノルル線に導入する。カタログ価格は1500億円。ANAはスカイマークの支援を巡り、大口債権者のエアバスとの交渉の過程で、A380購入がANA支援の条件となった経緯がある。

 ホノルル線はシェアの約4割を日本航空(JAL)が占めており、ANAはファーストクラスを備える超大型機を導入して対抗する。長峯豊之取締役は「A380はリゾートのマーケット特性に合った機材。グループで連携して取り組んで、路線を強化していきたい」と述べた。
日刊工業新聞2016年3月4日 建設・エネルギー・生活面記事
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
エアライン事業の厳しさを感じさせる発言です。装置産業ですから機械(航空機)の稼働率(搭乗率)をいかに上げるかが大切。その路線に十分なお客が乗らなければ、航空機は維持費だけ垂れ流すただの負債になってしまいます。 ANAは787とMRJを世界で最初に発注し、リスクの高い「ローンチカスタマー」の役を買って出た会社。何かと「赤い方」の翼と比較されやすいですが、こと機材発注に関しては、チャレンジ精神あふれる会社だと思います。

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