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文星芸大が「モーションコミック」の研究機関設立へ。所長はちばてつや氏

 文星芸術大学はデジタル技術をマンガに取り入れることで、マンガに動きを付ける「モーションコミック」の専門研究機関を4月に学内に設立する。文星芸大が産学連携で進めるモーションコミック技術の高度化を加速するため。所長にはマンガ「あしたのジョー」などで知られるマンガ家ちばてつや氏を起用する方針。近く会見を開き、詳細を発表する。

 モーションコミックは、従来のマンガに動きや色、音声などを付けたデジタル動画コンテンツの一種。アニメーションとは違い、マンガ特有の「吹き出し表現」を残しつつ、立体感や躍動感などを与えられる。インターネットなどで配信し、読者離れが進むマンガの新たな形態として注目を集める。

 研究拠点を整備することで、地元企業との共同研究を後押しし、学生の教育の場とするのが狙いだ。また、モノのインターネット(IoT)分野にも踏み込む。さまざまな形態のIoTにモーションコミックを取り入れ、インターネットに接続された製品やサービスの付加価値を高める研究も併せて実施する。

 文星芸術大学は1999年設立。美術学部美術学科を開設し、この中に日本画やデザイン、マンガ、芸術理論などの専攻コースを設ける。ちばてつや氏は05年から教授を務めている。
日刊工業新聞2016年3月7日地域経済面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役デジタルメディア事業担当
手塚治虫さん原作の長編アニメが「モーションコミック」として世界で配信されていると聞く。既存のマンガに付加価値を付けることも含めビジネスチャンスが大きそう。技術だけでなくぜひビジネスモデルも学んで欲しい。

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