日産が新型「キックス」のメキシコ生産を延期する背景事情
日産自動車は12月にメキシコのアグアスカリエンテス工場で生産開始を予定していた小型スポーツ多目的車(SUV)の新型「キックス」について、生産開始時期を2024年6月まで延期する。金型を輸送する車両が盗難に遭い、生産に必要となる金型の入手が遅れるためとの見方が強い。金型を生産するには3―6カ月程度かかるため、生産開始を延期せざるを得ない状況となっている。
新型「キックス」の発売延期は初めてではなく、これまでにも衝突テストに合格できなかったために開発期間が延びたことがあるという。日産はアグアスカリエンテス工場で生産を予定する新型「キックス」について、投入時期や細かい仕様を明らかにしていない。
「キックス」は日本国内では独自のハイブリッド車(HV)機構「eパワー」の搭載車をタイから輸入して、20年から販売している。北米ではアグアスカリエンテス工場で内燃機関モデルを生産し、北米市場に供給している。「eパワー」モデルはメキシコではタイから輸入して販売しているが、米国では未発売。
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日刊工業新聞 2023年09月04日