国内好調なゼネコン各社、先を見据えた海外展開拡大

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大林組・ウォータービュー高速道路建設工事(ニュージーランド・オークランド市)
 首都圏を中心にした活発な建設需要を背景に、ゼネコン各社は好業績をあげている。しかし、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを境に、国内の建設需要は縮小していくと予想される。こうした中で有力なのが海外市場だ。新興国を中心に経済成長が見込まれ建設需要が拡大する。好決算をあげている今だからこそ、ゼネコンは将来に向けた海外事業の整備が重要となる。現在どのように展開しているのか、各社の動向をみる。

新興国中心に需要増加


【大林組】
 大林組は北米、東南アジアを重点地域として展開している。特に北米では海外事業の半分以上の売上高を占める。これまで現地の建設会社を買収し、事業を拡大。最近では、14年に米国中西部に拠点を持つ土木会社を買収した。地域のネットワークや専門性を生かし競争力を高めている。

 東南アジアではシンガポールやインドネシア、タイで日系企業の進出に合わせて現地展開してから40-50年が経過する。日系企業の投資が継続的にあり、ネットワークの構築が進んでいる。タイ大林はすでに日系企業の受注比率は約4分の1と現地に根ざしている。
 今後は米国・東南アジアに続き、第3極となる中東・オセアニア地域での事業拡大を目指す。

【鹿島】
 鹿島の海外関係会社の売上高は14年度に3401億円と全体の売上高の約20%を占めている。中長期には40%までに高めていく方針だ。海外では建築・開発事業が中心だが、利益面で重視しているのが開発事業。建築事業と比べて売上高は少ないものの利益率が高いのが特徴だ。

 海外売上高で米国は半分以上を占める重要地域。14年に米国進出50年を迎え順調に事業拡大している。東南アジアでは、15年にインドネシア・ジャカルタで進めてきた商業施設・アパート、ホテルなどの大型複合施設の開発が終了。現在は同施設の運営に移行している。このほか15年に豪州に現地法人を設立。同社を通じて現地建設会社を傘下に入れ活発に事業展開している。

【清水建設】
 清水建設は世界20カ国以上に海外拠点を構築し、事業を展開している。海外事業は売上高全体の11-12%で推移しており、中長期的に20%程度を担える体制を整える方針だ。こうした中、海外事業で3テーマを掲げて強化に取り組んでいる。

 そのうちの一つが人材育成だ。現地社員については現場を管理できる人材の育成を強化する。日本人社員については入社1年目から現地に派遣して英語力や現場力を高める。二つ目として利益率の向上をあげる。調達改善や工法の標準化を進めている。三つ目が新規領域の開拓だ。非日系企業の顧客からの受注増を取り組む。東南アジアでは地元資本や現地に進出する欧米企業などの仕事獲得を目指す。

<次のページは、大成、竹中、戸田の取り組み>

日刊工業新聞2016年2月29日 特集面

COMMENT

海外事業は、国内建設市場の縮小が予想されるポスト五輪に備える上で、ゼネコン各社にとって重要な事業。現地のネットワーク構築や人材育成には時間がかかるので、今から戦略的に取り組む必要がある。 (日刊工業新聞社編集局第二産業部・村山茂樹)

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