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内視鏡手術の時に裸眼で立体映像が見られる3D化装置。医師のストレスを軽減へ

金子製作所や中大などが製品化。メガネ不要で“バーチャルリアリティー酔い"無くなる!?
内視鏡手術の時に裸眼で立体映像が見られる3D化装置。医師のストレスを軽減へ

現状との比較

 金子製作所(さいたま市岩槻区)と中央大学理工学部の鈴木寿教授らは、内視鏡手術の際に裸眼で立体映像を見られる3次元(3D)化モジュール装置を月内に製品化する。3D専用メガネを長時間装着することに伴うストレスや、実際の患部と画像から感じられる奥行きが一致しない現象を解消する。OEM(相手先ブランド)で販売し、今後3年間で5億円の売上高を目指す。

 内視鏡手術は医師や看護師ら複数のスタッフが同じモニターを見ながら行うもので、2次元画像では臓器や器具の奥行きを感じ取ることが難しい。このため、内視鏡スコープ先端の右目用と左目用のCCDステレオカメラが対象物をそれぞれ撮影し、ディスプレーに右目用と左目用の画像を交互に表示した上で、左右の視界を交互に遮断する3Dメガネを用いて立体感を得る3Dシステムが導入されつつある。

 だが、眼精疲労をはじめ精神的・肉体的なストレスを受けるほか、ディスプレーを側面から見る手術スタッフには、実際の患部の奥行きと画像から感じられる奥行きが一致せず“バーチャルリアリティー酔い"が生じるという、問題があった。

 これに対し、鈴木教授らは1度計算した結果を再利用して、効率的に計算する「DP照合アルゴリズム」を確立。画像処理速度を向上させ、カメラで取得したステレオ画像の画素ごとの奥行き情報と色彩情報を分解し、3Dデータを即時に生成する。

 モニターの左右出力で3Dをみせるのではなく、あらかじめ3D表示に適した奥行き画像や表面画像などの3Dデータを作成することで、対応するモニターの表示機能を最大限引き出し、見る側の“酔い”の解消や多視点からの裸眼立体視を実現した。
日刊工業新聞2016年3月4日機械面
明豊
明豊 Ake Yutaka 取締役ブランドコミュニケーション担当
あまり3D映画を観るのは好きではない。なぜなら文中にある“バーチャルリアリティー酔い"を感じてしまうからだ。でもこの前、どうしてもスターウォーズを3Dで観たくて映画館に行ったが、最初の30分ぐらいは特にひどかった。手術用だけじゃない製品も出てきてほしい。

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