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クレハが700億円投資、車載電池部材PVDF増強

クレハが700億円投資、車載電池部材PVDF増強

フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)

クレハは約700億円を投じていわき事業所(福島県いわき市)のフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)生産設備を増強する。新設備の生産能力は年8000トンを見込み、2025年度末に完成予定。電気自動車(EV)化によりリチウムイオン電池(LiB)用バインダー(接着剤)用途でPVDF需要が拡大しており、主力拠点の供給体制を強化する。

PVDFは主に電線被覆や釣り糸などに使われてきたが、近年はLiBの電極活物質を接着するための「バインダー」用途で需要が急拡大している。車載用途が中心で、リン酸鉄系(LFP)や三元系(NMC)の正極材料を用いるLiBに採用されている。

PVDFバインダーは30年度までに年平均19%ペースで使用数量が伸びるとの市場予測もある。クレハは現在、国内外に年約1万1000トンのPVDF生産能力を持つが、30年度までに同3万―4万トン規模まで高めることを目指している。


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日刊工業新聞 2023年08月24日

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