トヨタの新興国向け次世代戦略車「IMV」来年生産
トヨタ自動車は2024年にもフィリピンで新興国向け戦略車「IMV」の次世代車の生産を始める。現地法人であるトヨタ・モーター・フィリピン(TMP)のサンタローサ工場に44億ペソ(約110億円)を追加投資し、製造ラインなどを整備する。多様な使い方ができサービス機能を高めた車両を投入し、成長が見込める東南アジア諸国連合(ASEAN)市場の取り込みを強化する。
このほどマニラ市内で開いたTMP設立35周年式典で、豊田章男会長が明らかにした。また2車種の新型IMVのコンセプト車も披露した。
「ペースカー・ピックアップ」はフィリピンで展開していた多目的車「タマラオ」の次世代型で、商業用や乗用車、モータースポーツなど多様な使い方に対応する。「モダンPUV・ジープニー」は12人乗りの乗り合いタクシーで、高い安全性に加え、車両の位置や状態を監視するスマートシステムを搭載する。どちらも低価格化と堅牢(けんろう)性、用途拡張性を高めた新型IMV「IMV0(ゼロ)コンセプト」をベースにしている。
TMPは1988年に設立され、車両の生産や販売を手がける。近年は変速機の生産と輸出を強化してきた。豊田会長は「ビジネスとテクノロジーの両方の観点から、フィリピンには大きな成長の可能性がある」とコメントした。
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日刊工業新聞 2023年08月24日