ニュースイッチ

電通大が開発したロープを登るヘビ型ロボットがスゴイ

電気通信大学の田中基康教授らは、ロープを登るヘビ型ロボットを開発した。登山具の落下防止具のようにロープとの摩擦を利用して身体を保持する。保持した状態でヘビの身体をよじることで接触部分を回転させてロープを登る。ヘビ型ロボの用途は災害現場やインフラ保守などの調査が想定されている。移動手段が増えると活動範囲が広がる。

頭と尻尾と胴の中央の3カ所にフランジ構造を持つヘビ型ロボを開発した。ヘビ型ロボは身体をS字にして三つのフランジにロープを巻き付ける。機体重量は2・3キログラム。自重を支えるために必要な巻き付き角度は234度だった。

この巻き付き角度を三つのフランジに割り振り、総巻き付き角度を保つように動く。実験では重りを下げたロープに巻き付いて、身体をよじる捻転運動で登ることに成功した。ロープの張力をゆるめると摩擦が小さくなりロープを滑り降りる。

フランジ構造はロープのずれを防ぐために用いたが、将来は外して機体のデザインに組み込む。ロープを登る専用機構がなくても登れるため、床や配管などの狭所を移動してからロープを登り降りして階を移動するような運用が可能になる。

現在は最初の巻き付きは人が補っている。遠隔操作などでロープに巻き付く部分もロボが行えるようにする。ヘビ型ロボにつながったロープに結び目を作る技術も開発した。ロボが配管などにロープを結びつけて登り降りするようになる。

日刊工業新聞 2023年月8月22日

編集部のおすすめ