高価格帯が売れるひな人形。"プチぜいたく消費"は今後も続くか

小売り各社、「こだわり商品」に知恵絞る

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久月のひな人形
 国内の個人消費は力強さに欠ける中で、普段は節約していても、バレンタインやひな祭りなどのイベントでは、こだわりを持って商品を選び、”少し“ぜいたくする「メリハリ消費」が鮮明だ。この流れを取り込もうと、小売り各社は高価格帯やトレンドを反映した商品の提案に知恵を絞っている。

 「高価格帯が伸びている」。久月(東京都台東区)の横山久俊専務取締役はこのように手応えを話す。最近は飾り付けや片付けが容易な「収納飾り」が人気だったが、今年は大型のひな飾りの売れ行きが好調だったという。京王百貨店では1月の売り上げが前年比26%増で「種類が豊富なうちに選びたいという人が増えた」。中心価格帯は10万―20万円だが、25万円以上の商品の売れ行きは同1・5倍と、特に好調だった。

 大手百貨店のバレンタイン商戦の売上高は各社とも約1割増だった。「製法などにこだわりがあるチョコレートを自分で食べたい、家族や友人に配りたいという人が増えている」(三越伊勢丹ホールディングス)、「最近は家族で集まるイベントの売り上げが好調。バレンタイン商戦でも、この時期しか買えない高額の海外ブランド商品が売れた」(大丸松坂屋百貨店)と、こちらもメリハリが利いた商戦となった。

 ホワイトデー商戦でも「美や健康をキーワードに野菜を使った菓子などを展開し、女性からの購入も狙う」(京王百貨店)考えだ。

 西武池袋本店は2月中旬に販売を始めた五月人形で同8%増の売り上げを目指し、大河ドラマにちなんで、真田幸村やライバルの徳川家康にまつわる甲冑(かっちゅう)や、かぶとを充実している。

 長期の不況とデフレを経験し商品、サービスを選別する目を鍛えた消費者は、単なる低価格には飛びつかない反面、価値が見合えば必要な出費は惜しまない。それだけに、小売りも本当の付加価値を持った商品の提供が求められていきそうだ。
(文=江上佑美子)

日刊工業新聞2016年3月3日生活面

COMMENT

明豊
執行役員デジタルメディア局長 DX担当

商品の背景にあるストーリーに共感することがモノを買うことで大事になる、と最近よく言われる。その通りだと思うが特に節句品などは、日本の文化・風習の継承が欠かせない(とても難しいことだが)。10年後、20年後にハロウィンも日本流の文化にアレンジされて根付いていくの??

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