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神戸大とAGCの新ポリウレタン合成法がスゴイ、イソシアネート不使用で高品質

神戸大とAGCの新ポリウレタン合成法がスゴイ、イソシアネート不使用で高品質

開発した合成法を使うことで、着色がなく高い弾力性を持つポリウレタンが作製できた(神戸大学提供)

神戸大学の津田明彦准教授とAGCは、毒性が高いイソシアネートを生産過程で使用しないポリウレタン合成法を開発した。神戸大が開発した光オン・デマンド有機合成法により作製したフッ素化カーボネートを活用する。2020年に欧州委員会がジイソシアネートを化学物質規制「REACH規則」の制限対象物質リストに追加。開発した合成法を応用することで、REACH規則を回避しながら高品質なポリウレタンを作製できるとみられる。

研究チームはまず、光オン・デマンド有機合成法でフッ素化カーボネートを合成。これを汎用もしくは特殊アルコールと反応させることで、ポリウレタンの前段階にあたるポリウレタン前駆体を作製した。さらに同前駆体を汎用アミンと反応させて、ポリウレタンを合成した。

ポリウレタンが合成できたという結果だけでなく、無着色で透明度が高いという機能性も付加されたことも確認した。これまでに報告されている方法よりも低い温度で合成したことから、品質が高められたという。

成果は日本化学会誌電子版に掲載された。

日刊工業新聞 2023年08月15日

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