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海上で高速通信、クルーズ船・フェリーで「スターリンク」実証

海上で高速通信、クルーズ船・フェリーで「スターリンク」実証

クルーズ船「にっぽん丸」

KDDI商船三井は、船上の通信環境改善に向け、同社グループが運航するクルーズ船、フェリー、内航RORO船(貨物専用フェリー)で衛星通信サービス「スターリンクビジネス」の実証利用を始めた。スターリンクにより、航海中にダウンロード速度最大毎秒220メガビット(メガは100万)の通信環境を提供。今回の実証で技術的な検証や経済性の評価などを行い、今秋以降、各船の状況・スケジュールに応じて順次本格導入していく。

スターリンクビジネスの海上利用向け通信サービスを搭載するのは商船三井クルーズ(東京都港区)が運航するクルーズ船「にっぽん丸」、商船三井フェリー(同千代田区)が運航するフェリー「さんふらわあ さっぽろ」とRORO船「むさし丸」、フェリーさんふらわあ(大分市)が運航するフェリー「さんふらわあ さつま」の計4隻。まずはクルー・従業員が実証を行い、その結果を踏まえ、乗船する顧客への実証利用の拡大を検討する。

陸上から離れた海上では基地局からの電波が弱くなり、通常の携帯電話の高速通信の利用は困難となる。従来、静止軌道衛星を用いた衛星通信サービスが活用されてきたが、情報量やデータ量の増加により、船陸間のリアルタイムでの情報通信に課題があった。

日刊工業新聞 2023年08月09日

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