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ガス圧力差で年350万kw時発電、東邦ガスなど未利用エネ活用

ガス圧力差で年350万kw時発電、東邦ガスなど未利用エネ活用

東邦ガスとTBグローバルテクノロジーズ(東京都中央区)が開発した、都市ガスの圧力差で発電するシステム

東邦ガスとTBグローバルテクノロジーズ(東京都中央区、ローラン・ポワドヴァン社長)は、ガスの圧力差で発電する差圧発電の新システムを開発した。タービンと発電機の一体化により、従来に比べて設置スペースが半減し、導入コストは3割減る。未利用エネルギー活用による二酸化炭素(CO2)削減を図れるとみて、ガス事業者や大規模工場向けに年1―5台の販売を目指す。

都市ガス工場から送る高圧のガスは、客先で使いやすくするために減圧する。この時ガスは膨張する。膨張で生まれたエネルギーでタービンを回し、発電するのが差圧発電の仕組み。約2倍の圧力差で、1時間当たりの流量が50立方メートルあると1キロワット発電できる潜在性を持つ。圧力差がある高圧から中圧への減圧過程に導入しやすい。

発電機とタービンを一体構造としたことで省スペース化した。騒音を低減するための建屋も不要になり、工場などに設置しやすい。発電によってガスの流量や圧力に影響は与えないという。

東邦ガスは、都市ガス工場の四日市工場(三重県四日市市)にシステムを導入した。出力は合計405キロワット。想定する年間発電量は350万キロワット時で、一般家庭740世帯分に相当する。

日刊工業新聞 2023年07月27日

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