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耐用年数2倍以上に、レントとJR東海が鉛蓄電池を再生利用

耐用年数2倍以上に、レントとJR東海が鉛蓄電池を再生利用

非常用電源として在来線の踏切に設置している鉛蓄電池のリユースに取り組む

レント(静岡市駿河区、岡田朗社長)とJR東海は、停電に備えて在来線の踏切に設置している鉛蓄電池について、耐用年数を超えた電池を再生した上で再利用する取り組みを始めた。約7年だった耐用年数を2倍以上にできるという。6月から耐久性の試験や踏切で活用する検証を進めている。再生した鉛蓄電池の本格導入は2024年度に判断する計画だ。

電池容量が低下した鉛蓄電池を再生するレントの技術を活用する。電池容量の減少は電極にある電解物質の中和が原因。同社は化学反応によって電解物質を復活させる技術を保有する。

JR東海は鉛蓄電池を約7年周期で新品に取り替え、古いものについては廃棄している。廃棄予定の電池を再生して再利用すれば、活用期間は14年以上になる。再生品の購入費用は、新品と比べて半額程度。鉛蓄電池の再生で発生する二酸化炭素(CO2)は、新造時と比べ9割少ないという。

まず、再生拠点がある静岡県を中心とした地区での導入を検討する。同地区には鉛蓄電池を設置する踏切は約450カ所ある。


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日刊工業新聞 2023年07月27日

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