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EV新会社に最大930億円出資は過大?日産社長が語った出資額の理由

EV新会社に最大930億円出資は過大?日産社長が語った出資額の理由

電動化戦略の成否が成長のカギを握る(EVコンセプトカー「アリゾン」)

日産自動車は仏ルノーが計画する電気自動車(EV)とソフトウエアの新会社「アンペア」に最大約930億円(6億ユーロ)を出資することを決めた。ルノーの主要市場である欧州だけでなく中国や北米でも電動車市場の拡大や環境規制の強化は急速に進んでいる。地域ごとのニーズに応じた電動化戦略の成否が、日産の今後の成長のカギを握りそうだ。

アンペアへの出資は、排ガスなどの環境規制強化が進む欧州市場で、電動化戦略に生き残りをかけるルノーの要請があった。電動化技術で優位な日産の出資が過大との指摘もあるが、内田誠社長は「技術だけでなく、体制、生産、エコシステム(生態系)といった全ての視点で戦略的パートナーになり事業を変えていくため」と出資額の理由を説明。環境規制に加え、ソフトウエアで車の価値を決める「ソフトウエア定義車両(SDV)」でも有益な取り組みが出てくると期待する。

また、足元では中国市場で2023年1―6月期に、現地メーカーの新エネルギー車(NEV)の販売シェアが前年同期の19%から25%まで拡大。価格競争も激化して、中国以外のメーカーの内燃機関車が販売を大きく落とした。日産は23年度投入の新しい電動車に加え、現地合弁会社で開発するNEVを24年から複数投入してこれに対応する考え。

北米などでも同様の市場変化が起きているため、「主要地域と商品企画の責任者を経営会議のメンバーに加えて権限を委譲し、意思決定のスピードと各市場の競争力を向上する」(内田社長)。秋に発表する中期経営計画で各地域の電動化戦略を具体的に示す。


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日刊工業新聞 2023年07月27日

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