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体積99%・電力損失55%減…ロームがGaNパワー半導体と駆動用ICを同梱したSiP開発

体積99%・電力損失55%減…ロームがGaNパワー半導体と駆動用ICを同梱したSiP開発

ロームが開発したSiP製品のパワーステージIC

ローム窒化ガリウム(GaN)パワー半導体と駆動用ICを一つのパッケージに同梱したシステム・イン・パッケージ(SiP)を2種類開発し、販売を始めた。既存のパワー半導体、シリコン製金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(Si MOSFET)と置き換えると部品体積を約99%、電力損失を約55%削減できる。データサーバーやACアダプターなどの一次電源での利用を想定する。消費税抜きのサンプル価格は4000円。

同社初となるSiP製品、パワーステージICは650ボルト耐圧のGaN高電子移動度トランジスタ(HEMT)と同HEMTを最適に駆動させる専用ゲート駆動IC、周辺部品を一つのパッケージに同梱している。

駆動電圧範囲は2・5―30ボルトで、幅広いコントローラーICに対応できるのが特徴。既存のSi製パワー半導体からの置き換えを容易にした。

GaN HEMTは高速スイッチング性能が特徴で、Si MOSFETと比べてスイッチング損失を大幅に削減できる。一方、同HEMTはゲート耐圧や駆動電圧が低く、外付け部品点数の多いゲート駆動用ICとセットで使うことが必須だった。ロームはそういった部品を一体化したSiPを開発することで、省エネルギー化と省スペース化を両立した。

同SiPのサイズは8ミリメートル角で、厚さが1ミリメートル。パソコンや白物家電、OA機器などでの利用を想定する。


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日刊工業新聞 2023年07月20日

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