東芝買収に500億円拠出、日本特殊陶業の狙い
日本特殊陶業は19日、日本産業パートナーズ(JIP)が計画する東芝買収に参画し、総額500億円を9月末に拠出すると発表した。将来の協業の可能性を考慮すれば、日特陶の企業価値向上につながるとしている。参画を正式発表したのは、オリックスとロームに続き3社目。
拠出の内訳は、JIPが運営する投資ファンドへの出資が250億円、ファンドが発行する劣後社債の引き受けが250億円。リターンの確実性を高めるため、劣後社債を活用しているという。今回の拠出について、同社は相応のリターンを見込むことができる有意義な投資機会と判断している。
日本特殊陶業は自動車向けエンジン点火(スパーク)プラグが主力。だが、内燃機関車の減少を見据えて2030年までに「情報通信」や「環境・エネルギー」分野の事業拡大を目指している。東芝との協業を模索することで、内燃機関中心の事業構造からの転換を加速させたい考えだ。
協業の具体的な内容については「特定の領域に絞っているわけではない」(同社)として明らかにしていない。
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日刊工業新聞 2023年07月20日