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売上高比率3%へ、三菱ふそうバス製造「新規事業」の現在地

売上高比率3%へ、三菱ふそうバス製造「新規事業」の現在地

導入した「オートボディプリンター」を用いると、施工価格・期間を大幅に抑えられる

三菱ふそうバス製造(富山市、藤岡佳一郎社長)が注力する新規事業創出が「育成」のフェーズに入る。2022年秋に始めたボディープリント事業は、既に17台を手がけた。同様に企業広告用途などで使われるフィルムラッピングに比べ、施工価格を半額以下にでき、短納期のため顧客に好評という。コアである塗装技術を生かした抗ウイルス・抗菌塗工や防錆塗装などを含め、売上高全体に占める新規事業の比率を早期に3%(現在1%)に引き上げる方針だ。

三菱ふそうバス製造は三菱ふそうトラック・バス子会社でバスボディー製造を手がける。コロナ禍でバスの受注が落ち込む中、「塗装業者の人手不足などでニーズが期待できる先を見据えた事業」(西岡衛バス生産管理部部長)としてボディープリント事業を位置付ける。

数千万円を投じ、画像データを直接プリントできる「オートボディプリンター」を導入した。表面の凹凸にも対応し、フィルムラッピングで懸念される浮きや剝がれの心配がない。日本調模様など、困難だったデザインも実現可能だ。

市街を走る輸送機関に広告を掲載する場合、「一例として1年契約で掲載料のみで数百万円かかることがある。(優勝記念やコンサートツアーなど)短期集中の広告ではコストパフォーマンスが悪い」(西岡部長)。ボディープリントを用いることで広告出稿のハードルが下がるとみている。

また、大型バスで標準的に行っていた防錆対策のアンダーコートを、小型バスやトラックなどにも塗工する事業も始めた。「従業員全員が営業部隊」(三菱ふそうバス製造)となり、バスボディー製造に依存せず能動的に収益を生み出す体制を築く。

日刊工業新聞 2023年07月13日

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