障害者の正社員化を後押し―東京都、国に先駆け独自制度

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 東京都は2016年度から、障がい者を正社員として安定雇用した企業に対し奨励金を支給する「障がい者安定雇用奨励事業」をスタートする。中小企業が正社員として障がい者を雇用した場合、1人当たり120万円、大企業の場合は同様に100万円を奨励金として助成するもので、国に先駆けて都の独自制度として実施する。同事業の初年度予算規模は8億5000万円、約750人分の正社員雇用を目標とする。

 障がい者の正社員化や無期雇用として雇い入れる人数については上限を設ける。また、雇用6カ月以上など、奨励金を出す期日については今後詰める。

 東京都の最低賃金は現在時給907円で、障がい者は最低賃金で雇用されている場合がほとんど。例えば13年の厚生労働省による調査では、20時間以上30時間未満で働く身体障がい者の月給は、平均10万7000円程度。

 この最低賃金を5%以上上回る水準にして雇用するという条件をつけた上で、正社員に新たに雇用し直したり、無期雇用に転換した事業主に対し、奨励金を出す仕組みとする。

 4月以降、中小企業や大企業を対象に事業者向け助成金説明会を開き、障がい者の安定雇用に向け意識向上を図る。

日刊工業新聞2016年2月25日付中小企業・地域経済面

COMMENT

神崎明子
デジタルメディア局
編集委員

厚生労働省によると、障害者の雇用を義務づけられている従業員50人以上の企業で働く障害者は2015年6月時点で45万3000人。過去最多となったとのことです。ただ、問題は安定雇用。その意味で、正社員化を促進する都の先進的な取り組みは大きな意義がある。

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