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全方位カメラ活用で自動走行、ITD Labと横浜市が実証実験を始めた狙い

ITD Lab(横浜市緑区、紫垣卓男社長)は横浜市と共同で、周囲360度を監視できるステレオカメラの移動ロボットでの使用を狙った実証実験を始めた。同カメラを搭載した電動車いすを自立走行で運用してデータを収集し改善に役立てる。あらゆる移動ロボットの衝突防止に役立つ「ロボットの眼」に、同カメラを進化させたい考えだ。

横浜市が進める新たなビジネスモデル創出の一環で、市内の公園に検証用のコースを設置した。車いすの走行速度に合わせて1秒間に10回の速さで撮影を行い衝突の危険性を判断する。初回の検証では道路上の障害物があった場合や、走行中に人が前を横切った場合などを想定し、停止や方向転換の動作確認を繰り返し行った。

ステレオカメラは人間の眼のように2台のカメラを並べて物体を立体的に検知する。また上下に鏡を取り付けることで360度全方位を監視できるようにした。

検証は月1回の予定で24年3月まで実施する。紫垣社長は「検証を重ねて難易度を上げて複雑な動きを教え込んでいく。人出が増える休日の公園での実施を目指す」としている。 

日刊工業新聞 2023年07月08日

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