ストローが使い捨て「圧力センサー」になる!、その応用法とは?
福島工業高等専門学校の伊藤慧専攻科生と野田幸矢准教授は、ストローを使い捨ての圧力センサー代わりに利用する方法を開発した。ストローの中に封入した液体の動きから力を推計する。構成品が簡単で、現場で調達しやすい。調査ロボットなどのカメラしか備えていないロボットを運用中に、力を測る必要が生じた場面に提案していく。
ストローの片側をふさいでジュースなどの着色液体を入れる。これをクリップで挟み、バネ代わりに利用する。クリップのつまみに力がかかると、ストローの管径が変化して水面が動く。これを撮影して変位量から力を推計する。
クリップの種類で計測範囲と分解能が変わる。小さなクリップは力が弱く、検出感度や分解能が高い。実験では8ニュートンほどの力を検出できた。大きなクリップは力が強く、計測範囲が広くなる。20―50ニュートンの力を計測できた。
ストローの種類などで感度が変わるため、その都度検量線を引く必要がある。正確な測定は難しいがカメラのみで大まかな力を推定できる。許容範囲の下限や上限などの目印をつけておけば、制御範囲に収められる。現場で測定法がなく困った場面に対処できる。
日刊工業新聞 2023年07月04日