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剣道着以外にも広めたい!藍染め織物の魅力

埼玉の小島染織工業、ファッション・アパレル分野を開拓
剣道着以外にも広めたい!藍染め織物の魅力

機械や製造方法など、モノづくりにストーリーがある点も評価されている

 小島染織工業(埼玉県羽生市、小島秀之社長、048・561・3751)は、1872年の創業当初から武州正藍染め製品の製造などを手がける。主力製品は剣道着だが、13年に国内外でファッション、アパレル分野に進出した。小島社長に、新分野の市場を開拓する背景や展望を聞いた。

―新分野に進出した理由は何ですか。

「藍染めを中心とする染色業の素晴らしさを、世界中の人に知ってほしいからだ。国内の剣道関係者にしか知られていなかったモノを、海外のファッション関係者や、洋服を着る人に伝えたい」

―海外市場進出について教えてください。

「藍染め製品を中心に、生地の輸出をしている。輸出するきっかけの一つは、海外から来た生地業者に製品が評価されたこと。当社は伝統工芸で、レトロな方法で製造している。このままでいいのか、との迷いもあった。だが、手作り感や色の深みなど、昔のやり方だからこそ出る味と量産できる点が評価された。技術の先端度では遅れるが、今あることを貫くことで評価を得られると感じた」

―売り上げの割合は。

「かつては剣道着が99・9%だったが、今は90%。ファッション・アパレルなどが10%だ。20年までに海外のファッション・アパレル分野の売り上げを1億円にして、割合を40%としたい。ただ、剣道着を減らすというわけではなく、剣道着以上にファッション・アパレル分野を伸ばしていきたい」

(文=さいたま・福沢尚季)
日刊工業新聞2016年2月26日 モノづくり面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
同社のオンラインショップには男性・女性用の衣料のほか、ストール、トートバッグ、小物入れなどの商品が紹介されています。HPにある工場案内のコーナーもなかなかユニークです。

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