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光ファイバー通信の容量3倍に…NTT未来ねっと研が14THz広帯域光増幅器を開発

NTT未来ねっと研究所の小林孝行特別研究と宮本裕フェローらは、14テラヘルツ(テラは1兆)と広帯域な光増幅中継器を開発した。増幅できる帯域幅は世界最大。400キロメートル先に通信容量毎秒70テラビットで伝送できた。光ファイバー通信の容量が3倍以上に増える。

光パラメトリック増幅器で広い帯域を一括増複する。光パラメトリック増幅器の温度を変えると増幅利得の大きい波長をずらせる。そこで信号を基本波長の長波長側と短波長側に分けて、それぞれ増幅した。

長波長側は7・56テラヘルツ、短波長側は6・60テラヘルツで、合わせて14・16テラヘルツの帯域を増幅した。この帯域幅が世界最大。14テラヘルツに103チャンネル波長多重信号を乗せて長距離伝送を検証した。1度の増幅で80キロメートル先まで届く。5回増幅して400キロメートル先で信号を測ると、103チャンネルすべてで毎秒600ギガビット(ギガは10億)のビットレートを確認した。総容量は毎秒70テラビットになった。

今後、光パラメトリック増幅器の製造技術を確立する。

この増幅器は光量子コンピューティングへの応用研究が進むなど幅広い活用が見込まれる。

日刊工業新聞 2023年06月22日

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