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エラー、10年に1回以下に…東芝が蓄電池無線監視を実証

東芝は低消費電力の近距離無線通信「ブルートゥース・ロー・エナジー(BLE)」を用い、電波の干渉や反射などが厳しい環境下において、蓄電池の無線監視が可能であることを実証した。これによりシステムエラーの発生割合を10年に1回以下に抑えられるという。通常、蓄電池システムの状態監視は有線で行われている。汎用的なBLEを用いることで無線化が可能となり、保守の簡素化や絶縁対策、設置の自由度向上が見込める。

蓄電池システムは通常、金属に囲まれた筐体(きょうたい)に20台以上の蓄電池を設置している。ここで無線通信をすると信号が相互に干渉したり、筐体内部で電波が反射したりして通信が不安定になりやすかった。

そこで東芝は監視周期に合わせて単発的な遅延は許容し、連続的な遅延を防ぐシステムの設計を行った。具体的には監視サイクルを分割し、サイクル内に1度通信できれば良いという設計にした。

従来、蓄電池システムの無線監視を試みた事例の報告はあるものの、干渉や反射が厳しい環境下では標準規格の適用は難しかったという。

東芝研究開発センターの内田大輔スペシャリストは「いきなり無線化は難しいので、有線と無線を組み合わせて普及させたい」と話している。


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日刊工業新聞 2023年06月22日

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