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「デサント」、売上高比率まだ5%未満の中国に進出

伊藤忠、現地大手と合弁会社設立。スポーツ衣料品需要取り込む
「デサント」、売上高比率まだ5%未満の中国に進出

デサントホームページより

 伊藤忠商事は23日、デサントと中国スポーツ用品最大手のアンタ(福建省)と共同で、中国に合弁会社を設立すると発表した。アンタの現地販売網や伊藤忠の生産基盤を活用し、デサントの基幹ブランド「デサント」のスポーツ衣料品を販売する。高機能性などを訴求し、現地で拡大するスポーツ衣料品需要を取り込む。

 合弁会社は今春ころに設立予定。資本金は約50億円で、アンタの子会社が60%、デサントの韓国子会社が30%、伊藤忠の中国子会社が10%を出資する。デサント商品の輸入および中国向け商品のライセンス生産のほか、直営店舗の運営やスポーツ用品店向け卸売り販売を手がける。

 中国では国家戦略としてスポーツ分野の内需促進に取り組んでおり、スポーツ関連市場の急成長が見込まれている。デサントは従来、中国ではスキーウエアの一部販売にとどまっていたが、合弁会社を通じてスポーツ衣料品を本格展開する。

 アンタは自社ブランド「アンタ」のほか、海外ブランドの中国展開も手がけるなど現地で高い販売力を持つ。

 伊藤忠は以前から、子会社を通じてデサントとアンタのブランド商品のOEM(相手先ブランド)生産を手がけている。今後も中国でOEM事業の強化とともに、現地企業との提携を通じた事業領域の拡大を図る。
日刊工業新聞2016年2月24日3面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
デサントの2016年4-9月期連結決算の説明資料によると、中国(香港含む)の売上高は30億円で連結売上高649億円に占める比率は4.6%。ちなみに地域別で一番多いのは韓国の347億円で、次いで日本国内256億円、中国30億円、その他アジア10億円、欧米6億円という順になっています。

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