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活性率4倍…熊本大学が開発したい「キャリア高分子」の効果

熊本大学の田原春徹大学院生と東大志准教授らは、たんぱく質や核酸分子などの生体分子を効率よく細胞内へ導入するキャリア高分子を開発した。たんぱく質の導入活性率は市販品の4倍になった。ゲノム編集用の核酸分子の導入活性率も4倍になった。一つの材料で多様な生体分子を運べると安全性評価などのコストを抑えられる。核酸医薬品などの開発に提案していく。

数珠状の高分子であるポリロタキサンをキャリアとして利用する。数珠の球に相当する部分に生体分子を捉える官能基を配置した。10個程度の生体分子を数本のポリロタキサンで包んで粒子化する。

粒子はプラスに帯電し細胞膜を通過しやすくなる。細胞内に入ると、還元環境になるため官能基が分解し生体分子を放出する。核酸やたんぱく質を導入し活性を測ると、市販品の4分の1程度の投与量で同じ活性を確認できた。投与された細胞の生存率はほぼ100%で安全性は高い。

既存の薬は投与量を減らせる可能性がある。薬の候補として見つかっていても細胞内に届かず効果のなかった生体分子も、新材料で薬になる可能性が出てきた。熊本大発ベンチャーのサイディン(熊本市中央区)から提供する。

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