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縮小均衡から脱却、OKIが売上高4500億円へ事業ポートフォリオ見直し

縮小均衡から脱却、OKIが売上高4500億円へ事業ポートフォリオ見直し

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OKIが2026年3月期に売上高を4500億円(23年3月期実績は3691億円)、営業利益を180億円(同24億円)とする中期経営計画を始動した。縮小均衡からの脱却と成長へのかじ切りを掲げ、まずは業績を20年3月期の水準に戻すことを目指す。公共システムや金融などの既存領域では、足元で活発な更改需要を取り込む。そうした需要の一巡後、新事業を成長軌道に乗せられるか。目標達成に向けた実行力が問われる。

事業の位置付けの明確化と収益力向上に向けて事業ポートフォリオを見直した。一つの事業を売上高1000億円規模とし、公共システム、現金自動預払機(ATM)、プリンター、電子機器製造受託サービス(EMS)の四つに組み替えた。森孝広社長は「200億―300億円の規模で事業を考えるのではなく、1事業で1000億円と規模を確定して親和性の高いものを集めた」と語り、成長への基盤は整ったとする。

足元では、消防・防災システムに加え、新紙幣対応によるATMの更改需要や部品不足に伴う受注残の解消など引き合いが多いという。

一方、新事業では人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)技術を活用し、防災、海洋、交通分野などでのソリューション提供を目指す。他社との実証実験を進めており、「26年3月期ごろには売り上げが立つようにし、次期中計で拡大していきたい」(森社長)。

また海外事業も再強化する。まずは航空ディスプレー事業の強化やEMS部品の海外展開から始め、研究開発や新事業、新製品を打ち出していく方針。海外売上高は23年3月期に約500億円だったが、32年3月期には1000億円程度に引き上げる。

【続き】インタビューOKI社長・森孝広氏
日刊工業新聞 2023年06月09日

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