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囲碁AI「アルファゼロ」での手法応用…グーグル・ディープマインドが計算機の基盤アルゴリズム高速化

囲碁AI「アルファゼロ」での手法応用…グーグル・ディープマインドが計算機の基盤アルゴリズム高速化

(A)C++言語でのソートアルゴリズムの例と(B)それに対応するアセンブリ言語でのプログラム(グーグル・ディープマインド提供)

英グーグル・ディープマインドは人工知能(AI)を使い、データの整列・並び替えというコンピューター処理の基盤となるソートアルゴリズム(計算手順)の高速化手法を発見した。囲碁などボードゲーム用AIソフトで最強と言われる「アルファゼロ」での手法を、プログラム開発用AIに応用した。データの記憶・検索・圧縮に使われるハッシュアルゴリズムも30%高速化できたという。

この「アルファデブ(AlphaDev)」では、機械語に近い低水準プログラミング言語(アセンブリ言語)のレベルで正確かつ高速に実行できるアルゴリズムを1から作成。短いソート配列では従来比で最大70%、25万要素を超える配列では同1.7%処理を速くできた。新アルゴリズムは高水準言語C++で記述されたオープンソースライブラリーとして公開した。

同社は同様のAI手法をハードウエア設計などに適用する方針。成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。

日刊工業新聞 2023年06月10日

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