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自動運転の強い味方、リンテックが開発した「フィルムヒーター」の効果

自動運転の強い味方、リンテックが開発した「フィルムヒーター」の効果

曲面追従性が高く、さまざまな形状で使用可能なフィルムヒーター

リンテックは自動車向けのフィルムヒーターを開発した。自動運転などに必要なレーダーやセンサーの発信部に取り付け、付着した雪を溶かし、正常な動作を支援する。安全に関する評価の後、2025年以降に発売する。

起動するとフィルムが融雪可能な任意の温度まで加熱される。フィルムの厚さは100マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下で、透明性と電磁波の透過率が高い。曲面追従性も高く、さまざまな形状で使用可能。自動車に電線を接続、フィルム内に5ミリメートル前後の間隔で配置された細線金属ワイヤに通電、発熱させる。

従来、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転システムに使用するミリ波レーダーや高性能センサー「LiDAR(ライダー)」は雪に弱く、降雪地帯では走行中などにレーダー部に雪が付着し、正常に機能しない問題があった。

可視光線の透過率は90%。今後は自動車のフロントガラスや発光ダイオード(LED)信号機の着雪防止対策としての活用も検討する。

日刊工業新聞 2023年06月01日

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