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水の消費ほぼゼロ、京セラが開発した「デジタル捺染機開発」がスゴイ

水の消費ほぼゼロ、京セラが開発した「デジタル捺染機開発」がスゴイ

デジタル捺染(なっせん)機「フォレアス」

京セラは顔料インクを使って布地を染色するデジタル捺染(なっせん)機「フォレアス=写真」を開発した。同社のインクジェットプリンター技術を活用し、染色工程での水の消費をほぼゼロにする。環境負荷軽減に取り組むアパレル業界からの需要を見込む。今秋発売し、2027年3月期に売上高100億円を目指す。

京セラと複合機やプリンターを手がける子会社の京セラドキュメントソリューションズ(大阪市中央区)と共同で製品化した。両社が持つインクジェット印刷技術を応用し、独自の捺染プロセスと顔料インクを開発。捺染時に顔料インクと前後処理液を布へ同時に印刷することで、印刷、乾燥以外の工程を不要にした。

洗浄やスチームといった工程も不要になったことで、従来の捺染手法より水の使用量を99%減らした。

幅1・85メートルまでの布に対応し、最大8色、1時間に250平方メートルを印刷可能。水をほとんど使わないため、場所を選ばず捺染できる。

布地への捺染は染料インクを用いるのが一般的。印刷後のインクの堅牢性が染料より高い顔料インクの捺染への採用は従来から一部で使用されていたが、布地が硬くなるなど課題があった。

日刊工業新聞 2023年06月01日

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