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体積10分の1以下、世界最小クラスのRGBレーザー光源モジュール開発

コーデンシが売上高10億円目指す
体積10分の1以下、世界最小クラスのRGBレーザー光源モジュール開発

コーデンシが開発したRGBレーザー光源モジュール

コーデンシ(京都府宇治市、中嶋國雄社長)は、スマートグラスなどへの搭載に適した超小型RGBレーザー光源モジュールを開発した。モジュール内にレーザー光を結合できる光導波路構造を設けたシリコン基板を搭載したのが特徴で、体積は一般的なモジュールと比べ10分の1以下。世界最小クラスになるという。12月ごろにサンプル出荷し、数年内に年間10億円の売上高を目指す。

RGBレーザー光源モジュールは赤(R)、緑(G)、青(B)の三つのレーザー光を混ぜ合わせ、さざまざな色を表現する。従来はミラーや入射した光を分割するビームスプリッターをモジュール内に組み込む空間光学系で光を混ぜ合わせていたため、小型化に限界があったという。今回開発したモジュールでは、シリコン基板上に同機能を作り込むことで小型化した。

微小電気機械システム(MEMS)プロセス技術を応用してシリコン基板上に光導波路構造を作製。光を結合するチップを開発し、モジュールに組み込んだ。モジュールサイズは幅8・5ミリ×奥行き12ミリ×高さ3・6ミリメートルで、重さ0・4グラム。スマートグラスのほか、網膜投影用マイクロプロジェクターや産業用光源などでの用途も想定する。

価格は現時点で未定だが、将来はミラーなどを使った従来のモジュールを下回ることを想定している。スマートグラスの普及には小型軽量化と低コスト化が欠かせない。そのためシチズン電子(山梨県富士吉田市)やTDKなども超小型光源モジュールの実用化に取り組んでいる。


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日刊工業新聞2023年5月22日

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