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中国メーカーから20億円で受注、NITTOKUのEVモーター向け全自動生産設備の実力

NITTOKUは中国のモーターメーカーから、電気自動車(EV)の駆動部に用いるトラクションモーター向けヘアピンモーターの全自動生産設備を1ライン受注した。受注額は20億円弱。NITTOKUの1ライン当たりの受注額としては過去最大規模となる。

ヘアピンモーターは平角線を成形し、環状に配置した後、モーターコアに挿入。挿入したコイルをひねり、先端を溶接して生産する。今回受注した生産設備では、NITTOKUが巻線機で培った制御技術により、ステーター(固定子)供給から絶縁紙の挿入、コイル成形、コイルの環状組み立て、組み立てたコイルの移載と挿入、コイルひねり、溶接までの全工程を自動化した。

また、EVシフトの進展で車載モーターの需要が高まっていることを受け、四国地域とフィリピンに事業所を新設し、生産能力を増強する。同社がフィリピンに拠点を設けるのは初めて。

既存の福島市、長崎県大村市、中国・蘇州の拠点でも生産を続ける。これにより国内外向けのトラクションモーター用生産設備の売上高を5年後をめどに100億円に引き上げる。

同社はコイルを巻く巻線機で世界トップシェア。2026年3月期を最終年度とする中期ビジョンで、連結売上高500億円(23年3月期実績は294億円)を目指している。

日刊工業新聞 2023年05月17日

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