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営業益3兆円で最高更新見込むトヨタ、生産計画は1010万台

トヨタ自動車は、2024年3月期連結業績予想(国際会計基準)の営業利益が前期比10・1%増の3兆円となり過去最高を更新する見通しだと発表した。半導体不足の緩和で生産台数が増え、利益率が高い車種も増加。原材料高騰によるマイナス影響が縮小するなど業績の下振れ要因が減り、回復傾向が鮮明となる。トヨタ・レクサスの生産台数は前期比97万台(10・6%)増の1010万台を計画する。

24年3月期は台数増や車種構成により営業利益で1兆2850億円の増益効果を予想。仕入れ先の負担を肩代わりする費用を含めた原材料高騰分のマイナス影響は5100億円(前期は1兆5450億円)にとどまる見込み。売上高は過去最高の38兆円を予想する。想定為替レートは1ドル=125円、1ユーロ=135円。

24年3月期のトヨタ・レクサスの電気自動車(EV)販売台数は前期比約5・3倍に当たる20万台を目指す。10日開いた決算会見で佐藤恒治社長は「トヨタらしい商品力や魅力のある車種をそろえる」とした。

トヨタは26年までにEVの年間販売台数を150万台にする目標を掲げる。達成に向け、専任組織「BEVファクトリー」を15日に新設。80人規模で始動しプレジデントには中国・比亜迪(BYD)とのEV開発合弁会社をけん引した加藤武郎氏が就任する。

また30年までのEV新車販売350万台を実現するため、従来4兆円としていた投資額を5兆円に引き上げることも明らかにした。26年までに2兆5000億円を投じる。

23年3月期連結決算は、売上高が2期連続で過去最高を更新する37兆1542億円だった。営業利益は半導体不足による減産の影響を受けたが、原価改善などにより減少幅を抑えた。


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日刊工業新聞 2023年05月11日

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