空港、有料道路・・公共施設運営はリース会社の商機になるか

利用者のサービス向上につなげる

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 リース各社がコンセッション(公共施設等運営権制度)への関心を高めている。高速道路や空港など公共施設の所有権は公的機関に残したまま、運営を民間事業者が行うもので、政府が成長戦略として掲げている。オリックスが空港運営事業を4月に始めるなど、リース会社もインフラ運営の商機をつかもうと動き始めた。

 オリックスは仏ヴァンシ・エアポートと共同で関西国際空港と大阪国際空港(伊丹空港)の空港運営事業に乗り出すことが決まっているほか、1月には愛知県の有料道路の運営権を巡る入札にも応札した。井上亮社長は、中長期的には「一つのコアビジネスになるチャンスがある」とコンセッションに期待を寄せる。

 愛知県の有料道路の入札には三菱商事などとの連合で三菱UFJリースも参加、コンセッション第1弾を目指す。同社はこれまでも民間資金を活用した社会資本整備(PFI)で実績があり、ノウハウや人材に恵まれている。白石正社長は「可能性があるモノは狙っていく。力を入れて取り組みたい」と積極姿勢をみせる。

 また、日立キャピタルも「取り組んでいきたい」(●島郁夫アセットマネジメント事業推進室室長=●はくさかんむりに配)と興味を示す。まずは日本でノウハウを得て、将来は海外でのコンセッションにも参加し、日立グループが力を入れる社会インフラ事業を支えたいと考える。

 公的インフラの長期運営権を民間企業に売却するコンセッションは国や地方の財政負担を抑え、民間の知恵をいかすことでサービス改善も期待される。

 日本でも取り組みが広がりつつあるが、オリックスの運営受託が決まった空港案件は期間44年間、総額2兆円というように運営期間が長く、規模も大きい。リース会社は良い事業パートナーと組み、長期での安定した収益確保ができるかが問われる。
(文=湯原美登里)

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海外で進んでいるコンセッションの取り組みが日本でも広がり始め、今後、関心が高まっていくとみられている。例えば、オリックス連合が運営を予定する関空では、LCC(格安航空会社)の誘致や宿泊施設の建設、商業エリアの充実などにより、空港利用者数を増やす計画だ。コンセッションにより、国や地方の負担を押さえられるのに加え、民間の知恵をいかした新たな取り組みの可能性も広がる。利用者としては利便性の向上などサービス改善に期待したい。 (日刊工業新聞社編集局経済部・湯原美登里)

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