樹脂製品の試作請け負う中小企業、「ジオラマキット」に込めた狙い
「マニアの心に刺さる商品を作れば、きっと売れる」。樹脂製品の試作などを請け負うエービーモデル玉川工場(川崎市宮前区、田中耕代表取締役)が同社初のBツーC(対消費者)向け商材として商品化したジオラマ制作用の模型(ジオラマキット)には、そんな狙いが込められている。
マニア心をくすぐりそうなのは、32分の1スケールという大手の模型メーカーがあまり扱わない縮尺。一部のマニアが待望しているものの、市販品が見当たらないため、一定の需要が見込めるとにらんだ。さらには射出成型でなく、切削加工で一つひとつ丁寧に成形することで、量産品にはない優れた美観と寸法精度を実現した。
直営のオンラインストアで道路標識、ガードパイプ、信号機の3品を扱っており、価格は消費税込みで3850円から。注文が徐々に増えてきた中で、同社も「続く新商品を開発中だ」(加藤二郎工場長)と手応えを感じているようだ。
日刊工業新聞 2023年05月01日