サントリーHDが始めた「飲食店でVR工場見学」の中身
サントリーホールディングス(HD)は、飲食店で仮想現実(VR)技術を使いグループの工場見学を食事と同時に楽しめるイベント「ファクトリー・トレック!」を始めた。脱コロナへの移行で外食機会が増加傾向にある中で、ウイスキーやビール工場の体感と飲食店を組み合わせる新たなコンテンツにより、顧客接点を増やす。ビールの東京・武蔵野工場(東京都府中市)とウイスキーの白州蒸溜所(山梨県北杜市)、山崎蒸溜所(大阪府島本町)の3コースで展開する。
ファクトリー・トレック!は工場見学の案内担当のスタッフがガイド役となり、参加者はVRゴーグルで工場見学をしながら、飲食を楽しむことができる。通常の工場見学では見られない工程や設備までをVR映像で紹介し、ウイスキーやビールのモノづくりを知ってもらう試み。
体験できる飲食店は「響」(西新宿野村ビル店)と「CAFE HARBOR」(サントリー田町オフィス11F)。予約制でそれぞれの店舗で複数の開催日を設定している。食事コースは2500―5000円の範囲。
サントリーHDはコロナ禍でも工場見学を体験できる「バーチャルビール工場体験オンラインコンテンツ」やウイスキーの「リモート蒸溜所ツアー」を提供。ここにきて工場見学が再開したことや外食での人流回復の状況を踏まえて、飲食店と工場見学をつなぐコンテンツを開発した。
同社はこのイベントの参加者の評価や運営の課題などを検証し、今後、コンテンツの拡充のほか開催する飲食店の拡大などを検討する意向だ。
日刊工業新聞 2023年04月28日