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クボタが電池材料市場に参入、量産する「チタンニオブ複合酸化物」の実力値

クボタが電池材料市場に参入、量産する「チタンニオブ複合酸化物」の実力値

チタンニオブ複合酸化物のイメージ

クボタは25日、自動車の電動化に伴い需要が伸びている電池材料市場に参入すると発表した。リチウムイオン電池(LiB)の負極材料となるチタンニオブ複合酸化物の量産を阪神工場尼崎事業所(兵庫県尼崎市)で2024年末に始める。設備投資額は10億円。まず月産50トンで立ち上げ、30年をめどに生産量を5倍以上に引き上げることを目指す。

チタンニオブ複合酸化物の合成技術や製造プロセスを確立。クボタは尼崎事業所で、自動車のブレーキ・クラッチ用の摩擦材に使うチタン酸カリウム「TXAX」(ティーザクス)を生産しており、チタン酸化合物の量産で培ったノウハウを電池材料にも生かす。

LiBの負極材には一般的に黒鉛が使用されるが、チタンニオブ系酸化物は黒鉛に比べエネルギー密度が高く、電池の長寿命化や急速充電性に優れる。電池は小型化、大容量化が進んでおり、クボタはこうした高機能素材の需要増加を見込んで事業参入する。

尼崎事業所は製鉄所などで使う圧延用ロールの主力工場だったが、22年末に製造を終了した。同事業所では素形材事業も手がけており、電池市場への参入を機に事業を拡大する方針だ。

日刊工業新聞 2023年04月26日

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