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高強度で耐熱200―300℃、名大が3D造形用のスゴいアルミ合金開発

名古屋大学の王文苑大学院生と高田尚記准教授、あいち産業科学技術総合センター瀬戸窯業試験場の加藤正樹場長らは、200―300度Cで高い強度を持つ3D造形用アルミニウム合金を開発した。鉄とマンガンを添加し、結晶相を安定化させた。300度Cでは、耐熱性アルミの約4倍の降伏強度になった。アルミ合金を高温で利用することが可能になる。

アルミに対して鉄を2・5%とマンガンを2・0%添加した合金粉末を作製した。合金粉末をレーザー照射で加熱して溶かし、凝固させて立体構造を造形する。

アルミは鉄を添加すると準安定相になり、マンガンがこれを安定化させる。準安定相では微細な組織構造をとるため強度が上がる。高温での強度低下を抑え、200―300度Cで200メガ―300メガパスカル(メガは100万)の降伏強度を維持できた。

従来のアルミ合金は100度C以上で強度が低下するため、200度C以上では利用しにくかった。エンジン用圧縮機などの耐熱部材の軽量化に提案していく。

日刊工業新聞 2023年04月26日

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