DMM.comとPwCが組んでサービスロボットへの参入企業を支援
顧客の期待と現実の差を埋める
DMM.com(松栄立也社長、03・5789・7031)とプライスウォーターハウスクーパース(PwC、東京都中央区)は、サービス系ロボットの普及に向けて協業する。DMMが販売するサービスロボット群やノウハウとPwCのコンサルタント機能を生かし、企業のロボット導入やロボット事業立ち上げを支援する。両社が補完し、ロボット産業の成長を後押しする。
「サービスロボットに参入したい企業は多いが、単独では難しい。ここを支援したい」。PwCの矢部篤樹シニアマネージャーは事業の目的をこう語る。PwCは企業コンサル業務の中で、ロボットや人工知能(AI)に対する関心の高さを感じていた。
IoT(モノのインターネット)など業務の効率化・高度化を進める際、ロボットの活用は必ずテーマになる。さらにロボットは新規事業としても魅力的で導入、参入双方に支援策を打ち出す必要があった。
そこで、PwCは2015年11月にロボットを活用した経営革新を目指す企業向けに、企画検討から導入・運用までをサポートするコンサルサービスを開始した。ただ、ロボット関連のノウハウを持たないため、15年4月からサービスロボットの販売や開発サポートを始めたDMMと協業する形となった。
DMMロボット事業部の岡本康広事業部長によると、DMMはBツーC向けのロボット販売だけで、法人向けの展開はこれからだった。「消費者向けのロボット販売が伸びるには時間がかかる。販売を伸ばすには法人向けの開拓が必須で、PwCとは思惑が一致した」(岡本事業部長)と協業の理由を説く。
両社が狙うのはあくまでサービスロボット。産業用ロボットは強力な産ロボメーカーが多くいる一方で、サービスロボットはまだ市場が形成されておらず、両社の力がフルに生かせると判断した。「サービスロボット産業を自動車産業並みの市場にしたい」(PwCの水上晃ディレクター)と壮大な未来図を描く。
具体的にどう取り組むのか。今後、ロボットの導入、参入を考える顧客企業と両社が参加するコンソーシアムを設ける。顧客が何をしたいか、どうしたら良いかを話し合う場だ。その中で、DMMが持つロボット群のどれを活用できるか、できない場合はどういう形でロボットやソフトウエアを開発すれば良いかなどを模索する。ロボット開発のベンチャー企業や大学、保険事業者などの参加を促し、より円滑に、ニーズに対応したロボットを提供できるようにしたいという。
実際にロボットを活用したり参入したりしたい企業からの問い合わせの件数は、すでに2ケタを超えているという。
サービスロボットはまだ進化の途上で、一般的には期待される機能と実際にできる機能の乖離(かいり)が大きい。他の機器との組み合わせやアナログ的な工夫で機能不足を補う必要もある。両社がうまく「期待との差」を埋めてロボット市場を拡大できるか、注目される。
(文=石橋弘彰)
「サービスロボットに参入したい企業は多いが、単独では難しい。ここを支援したい」。PwCの矢部篤樹シニアマネージャーは事業の目的をこう語る。PwCは企業コンサル業務の中で、ロボットや人工知能(AI)に対する関心の高さを感じていた。
IoT(モノのインターネット)など業務の効率化・高度化を進める際、ロボットの活用は必ずテーマになる。さらにロボットは新規事業としても魅力的で導入、参入双方に支援策を打ち出す必要があった。
サービスロボのコンサル開始
そこで、PwCは2015年11月にロボットを活用した経営革新を目指す企業向けに、企画検討から導入・運用までをサポートするコンサルサービスを開始した。ただ、ロボット関連のノウハウを持たないため、15年4月からサービスロボットの販売や開発サポートを始めたDMMと協業する形となった。
DMMロボット事業部の岡本康広事業部長によると、DMMはBツーC向けのロボット販売だけで、法人向けの展開はこれからだった。「消費者向けのロボット販売が伸びるには時間がかかる。販売を伸ばすには法人向けの開拓が必須で、PwCとは思惑が一致した」(岡本事業部長)と協業の理由を説く。
両社が狙うのはあくまでサービスロボット。産業用ロボットは強力な産ロボメーカーが多くいる一方で、サービスロボットはまだ市場が形成されておらず、両社の力がフルに生かせると判断した。「サービスロボット産業を自動車産業並みの市場にしたい」(PwCの水上晃ディレクター)と壮大な未来図を描く。
具体的にどう取り組むのか。今後、ロボットの導入、参入を考える顧客企業と両社が参加するコンソーシアムを設ける。顧客が何をしたいか、どうしたら良いかを話し合う場だ。その中で、DMMが持つロボット群のどれを活用できるか、できない場合はどういう形でロボットやソフトウエアを開発すれば良いかなどを模索する。ロボット開発のベンチャー企業や大学、保険事業者などの参加を促し、より円滑に、ニーズに対応したロボットを提供できるようにしたいという。
問い合わせ2ケタ超える
実際にロボットを活用したり参入したりしたい企業からの問い合わせの件数は、すでに2ケタを超えているという。
サービスロボットはまだ進化の途上で、一般的には期待される機能と実際にできる機能の乖離(かいり)が大きい。他の機器との組み合わせやアナログ的な工夫で機能不足を補う必要もある。両社がうまく「期待との差」を埋めてロボット市場を拡大できるか、注目される。
(文=石橋弘彰)
日刊工業新聞2016年2月19日 ロボット面