キヤノン次期社長がトップメーカーのプライドを賭ける一眼レフの新製品
ミラーレスでカメラ老舗の牙城を切り崩すソニー、パナソニックなどにどう対抗するか
キヤノンは18日、画質やオートフォーカス性能を高めたデジタル一眼レフカメラ「EOS(イオス)80D」を3月25日に発売すると発表した。新開発の画像センサーを搭載し、高性能画像処理エンジンと組み合わせて高い質感や立体感を表現できるようにした。想定価格は12万9800円(消費税抜き)で、月産5万台を見込む。愛好家から初心者まで幅広く展開する。
約2420万画素のAPS―Cサイズの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサーを採用した。合わせてオートフォーカス性能を向上。素早く動く被写体も確実にとらえ、最高1秒間に約7コマの高速連写が可能だ。
25日からは新開発の画像処理エンジンを搭載し画質や手ぶれ補正機能を高めた「パワーショットG7 X マークII」など、コンパクトデジカメ計5機種を順次発売。4月下旬にはプロ写真家向けに一眼レフカメラの旗艦モデルを発売する。キヤノンの真栄田雅也専務は「シェアトップメーカーとして写真文化を醸成し、市場を活性化したい」とした。
下げ幅は小さくなりつつも、一眼レフカメラとコンパクトデジカメは市場の縮小が止まらない。一方、少しずつ市場を広げているのが小型・軽量を謳ったミラーレスカメラだ。
ソニーやパナソニック、富士フイルム、オリンパスの各社は低価格帯の製品からは撤退すると同時にミラーレスに注力。中心ターゲット層をプロや愛好家に定めて画質や感度といった性能を高め、老舗2強の牙城を切り崩そうとしている。それまでは課題事業だったデジカメ事業の利益は改善しており、今ではさらなる成長を狙っているほどだ。
一方、カメラが経営の大きな柱でシェア1位、2位のキヤノンとニコンは、「写真を撮る」行為の入り口はスマートフォンにその役割を奪われているものの、今も販売台数ベースではコンパクトの方がボリュームが大きい。
また「ステップアップ戦略」を軸にする両社にとってはライトユーザーの獲得も欠かせない。未だに低価格コンパクトもラインアップに抱え、全方位で展開しているために市場縮小に合わせて事業規模を落としている状況だ。
そのキヤノンとニコンが、ミラーレスを強化する姿勢を見せ始めた。今後はミラーレスでの競争が激しくなると共に、その市場規模は大きくなると見られる。安定ユーザーである愛好家やプロ層の囲い込み競争も激しくなるだろう。
約2420万画素のAPS―Cサイズの相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサーを採用した。合わせてオートフォーカス性能を向上。素早く動く被写体も確実にとらえ、最高1秒間に約7コマの高速連写が可能だ。
25日からは新開発の画像処理エンジンを搭載し画質や手ぶれ補正機能を高めた「パワーショットG7 X マークII」など、コンパクトデジカメ計5機種を順次発売。4月下旬にはプロ写真家向けに一眼レフカメラの旗艦モデルを発売する。キヤノンの真栄田雅也専務は「シェアトップメーカーとして写真文化を醸成し、市場を活性化したい」とした。
コンパクトを含めた全方位戦略にジレンマ
下げ幅は小さくなりつつも、一眼レフカメラとコンパクトデジカメは市場の縮小が止まらない。一方、少しずつ市場を広げているのが小型・軽量を謳ったミラーレスカメラだ。
ソニーやパナソニック、富士フイルム、オリンパスの各社は低価格帯の製品からは撤退すると同時にミラーレスに注力。中心ターゲット層をプロや愛好家に定めて画質や感度といった性能を高め、老舗2強の牙城を切り崩そうとしている。それまでは課題事業だったデジカメ事業の利益は改善しており、今ではさらなる成長を狙っているほどだ。
一方、カメラが経営の大きな柱でシェア1位、2位のキヤノンとニコンは、「写真を撮る」行為の入り口はスマートフォンにその役割を奪われているものの、今も販売台数ベースではコンパクトの方がボリュームが大きい。
また「ステップアップ戦略」を軸にする両社にとってはライトユーザーの獲得も欠かせない。未だに低価格コンパクトもラインアップに抱え、全方位で展開しているために市場縮小に合わせて事業規模を落としている状況だ。
そのキヤノンとニコンが、ミラーレスを強化する姿勢を見せ始めた。今後はミラーレスでの競争が激しくなると共に、その市場規模は大きくなると見られる。安定ユーザーである愛好家やプロ層の囲い込み競争も激しくなるだろう。
日刊工業新聞2016年2月19日 電機・電子部品面の記事に加筆