新幹線貸し切り・車庫でキャンプ…関西の鉄道が集客に凝らす趣向
近畿日本鉄道、南海電気鉄道、JR西日本の関西の鉄道会社が、車両や駅、車庫などの鉄道資産を活用したイベントを開いて業界の活性化を図る。近鉄は29日に大阪上本町駅(大阪市天王寺区)で、ものづくりの魅力体感イベント「こうばのでんしゃファクトリズムin近鉄電車」を開く。南海は5月に和歌山市駅の車庫を貸し切ったキャンプイベントを開催。6月にはJR西が新幹線の特別貸し切りのツアー列車を運行する。各社は趣向を凝らし、鉄道への関心を高めてもらう機会とする。(大阪・市川哲寛)
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近鉄のものづくりイベントは、大阪府八尾市のものづくりや伝統産業関連の企業の活動を紹介したり、ワークショップを開催したりする。2022年に続く2回目で、みせるばやお(大阪府八尾市)、八尾市と共同で上本町駅のホームや電車内で開く。
平井製作所(大阪市平野区)や葵スプリング(大阪府八尾市)、カネエム工業(同)などが出店、コースターやキーホルダーづくり、ネジ製造体験、プレス加工部品での輪投げ大会などで文化祭のような雰囲気を作る。電車に乗車しない場合は改札口で入場証をもらって参加できる。
車庫内では鉄道会社初という南海のキャンプは、従来主流の自然の中とは異なる空間でのキャンプ体験をしてもらう。電車が入出庫する様子を見ながら自由にキャンプ活動できる。観光列車「めでたいでんしゃ かしら」の車内での就寝もできる。
アウトドアショップのマネージャーとの自由トーク、同観光列車内で子どもが制服・制帽着用で放送する車掌体験、南海グッズを景品にしたクイズ大会などのイベントもある。参加費は1組2万円。
JR西はJTB、ブシロードムーブ(東京都中野区)との共同企画で、「新幹線ホロライブエクスプレス」を新大阪-博多間で往復運行する。ヘッドレストカバーをオリジナル装飾し、ホロライブプロダクション所属のタレントによる車内アナウンスなどでもてなす。
3月に幕張メッセで開催したイベントの事後企画の位置付けで、ファンミーティングやパーティー、非売品特典などもある。募集人員は500人。旅行代金は9万5000円。
コロナ禍での需要変動もあり、各社は顧客との結びつきを深めようと工夫をこらす。