リチウム電池を長寿命化、DICが開発した「負極用接着剤」の機能
DICはリチウムイオン電池(LiB)の負極用水系バインダー(接着剤)「WATERSOL(ウオーターゾール)―LB」を開発した。優れた膨張抑制効果を持ち、内部抵抗率が低いなどの特長によりLiBの長寿命化に貢献。パワーツールなどの用途を見込み、2025年に売上高10億円を目指す。国内に加え中国、米国、欧州での販売を視野に入れ、グローバルで供給体制の整備を進める。
LiBに使われるバインダーは正極材料・負極材料や活物質、補助添加剤などを結着させる接着剤としての機能を持つ。開発品は負極向けのアクリル系合成樹脂バインダーで、水系のため溶剤系に比べて製造時の環境負荷が低くなる。
45度Cの高温やマイナス10度Cの低温下における充放電時の容量維持では、従来品から数倍の改善が見られるなど環境変化への適応性に優れているという。
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日刊工業新聞 2023年04月13日