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NECが世界初の開発、CNT適用「非冷却型赤外線イメージセンサー」の全容

NECが世界初の開発、CNT適用「非冷却型赤外線イメージセンサー」の全容

高純度半導体CNT膜の原子力間顕微鏡像

NECは、独自開発した抽出技術による高純度半導体型のカーボンナノチューブ(CNT)を赤外線の検出部に適用した、高感度非冷却型赤外線イメージセンサーの開発に世界で初めて成功した。現在主流となっている酸化バナジウムやアモルファスシリコンを用いた非冷却型赤外線イメージセンサーに比べて、3倍以上の高感度化を実現した。2025年の実用化を目指す。

新開発の赤外線センサーには、高感度化のために重要な指標である高TCR(抵抗温度係数)を実現した独自技術による半導体型CNTを適用した。また、従来の非冷却型赤外線イメージセンサーに採用している熱分離構造と、微小電気機械システム(MEMS)素子化技術やCNTの印刷製造技術を融合することで、新たなデバイス構造を実現。それらをアレー化した640×480画素の高精細な非冷却型赤外線イメージセンサーの動作に成功した。

赤外線イメージセンサーは暗闇の中でも人や物体から放射される赤外線を検知できる。そのため、夜間における自動車の運転時の暗視スコープや、航空機の航行支援システム、防犯カメラなど、さまざまな領域で利活用されている。

今回の成果の一部は産業技術総合研究所との共同研究によるもの。また、防衛装備庁が実施する安全保障技術研究推進制度の支援を受けた。

日刊工業新聞 2023年04月11日

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