ドコモがデータ活用人材5000人に、育成のカギは社内副業?
NTTドコモはグループ全体でデータ活用人材の育成を強化する。同社の研修プログラムの対象を、傘下のNTTコミュニケーションズ(NTTコム)、NTTコムウェアまで広げた。社内副業制度の対象も同様に拡大。通常業務でデータ活用に携わる機会が少ない社員でも、同制度を生かして、データ活用を実践できる機会を増やした。2025年度に、ドコモグループ全体でデータ活用人材を5000人にする目標を掲げる。
ドコモは、22年1月にNTTコムと、NTTコムウェアを子会社化し、同7月に組織統合した。統合後も3社はそれぞれでデータ活用人材の育成を進めてきたが、今後は3社で連携する。現在のドコモグループのデータ活用人材の数は非公表。
ドコモは2月に、研修プログラムの対象をNTTコム、NTTコムウェアの社員にも広げた。両社子会社の社員は対象に含めない。
ドコモは、21年にデータ活用人材の育成に向けた研修プログラムを開始。希望者を対象に、座学と実習を組み合わせて実施している。22年度までの累計の修了者は1000人を超えた。
研修で得たスキルを定着させるには、社員がデータ活用を実践する場作りも重要。ドコモは4月に、同社の社内副業制度を、NTTコム、NTTコムウェアにも拡大した。社内副業人材を募る公募ポストの数は、従来比倍増の300件に増えた。このうち、データ活用関連の部署によるポストは約50件を占める。3社の社員がデータ活用を実践できる機会は広がったという。
ドコモは通信料の値下げ影響などで個人向けの通信が低迷する中、金融や法人といった非通信領域の拡大を急いでいる。既存業務の効率化、新サービス創出の両方で、データ活用は欠かせない。同社はグループのシナジーを高め、データ活用人材の育成を急ぐ。
日刊工業新聞 2023年04月12日